脊髄神経から分岐した腕神経叢は上肢の運動を支配すべく、手部へと向かいます。

そして、その手部に向かう過程で3つの間隙を通過し、その間隙間で絞扼された状態を胸郭出口症候群といいます。

斜角筋症候群と肋鎖症候群、過外転症候群

胸郭出口症候群では、神経障害と血流障害により手指・腕のしびれ,熱感,冷感,脱力感,頚部・肩・肩甲間部・前胸部のうずくような痛みを起こし、、知覚障害と運動障害が生じます。

腕神経叢が通過する間隙には、斜角筋隙、肋鎖間隙、小胸筋下間隙があります。

前斜角筋と中斜角筋と第一肋骨で構成されている斜角筋隙は、繰り返される上肢の挙上などで斜角筋が肥厚することが原因で絞扼を引き起こします。

ここで腕神経叢が絞扼された状態を、斜角筋症候群と呼びます。

鎖骨と第一肋骨で構成された肋鎖間隙は、なで肩のように鎖骨が下制した状態において絞扼されやすく、女性によくみられる絞扼部位であると言われています。

ここで絞扼した状態を肋鎖症候群と呼びます。

3つ目が、烏口突起から起始する小胸筋と鳥口鎖骨靭帯が構成する小胸筋下間隙です。

肩関節を外転させることで腕神経叢の絞扼が生じることから過外転症候群と呼ばれています。

胸郭出口症候群の運動療法

胸郭出口症候群の検査テスト法としては、ルース・テスト(3分間挙上負荷テスト)やライト・テスト(両肘を90度屈曲位、肩関節90度外転・外旋位で3分間あげる)で両手指の屈伸を3分間行わせます。

肋鎖間隙で腕神経叢が圧迫されることにより、手指のしびれや前腕のだるさのため持続ができず、途中でおろしてしまったり、上肢が蒼白にり、チアノーゼ様になると陽性とみなします。

胸郭出口症候群の運動療法としては、不良姿勢の改善、間隙間の拡張、斜角筋のリラクセーション、菱形筋や僧帽筋の強化、小胸筋のストレッチなどがあげられます。

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