脳卒中の症状とは何か、その確認の仕方などを知っていますか?

米国脳卒中協会では3つの症状を簡潔に取り上げ、FASTと呼び、3つのテストをするように勧めています。
F・・・Face 顔の麻痺
A・・・Arm 腕の麻痺
S・・・Speech 言葉の障害
T・・・Time 発症時刻

脳卒中は原因によって、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血、一過性虚血性発作の4つに分類され、より早期に治療を開始することで後遺症が軽くなることがあります。

  1. 脳梗塞
    脳梗塞の過半を占める病型です。脳動脈の閉塞ないし、狭窄に伴って神経細胞に血液が十分に供給されなくなり、神経細胞が障害されます。病態により「ラクナ梗塞」「アテローム血栓性脳梗塞」「心原性脳塞栓」の3つの病型に分けられます。「ラクナ梗塞」「アテローム血栓性脳梗塞」は脳血栓症の範疇に入り、細い血管の動脈硬化によるものをラクナ梗塞、太い血管の動脈硬化によるものをアテローム梗塞と言います。心原性脳塞栓症は心臓内にできた血栓などの異物が血液の流れにのって脳に届き、脳動脈をつめて起こります。突然大きな血管が閉塞することが多く、3つの病型のなかでは最も急激に症状が現れ、重症であることが多いです。
  2. 脳出血
    脳動脈が破れ、あふれでた血液が神経細胞を障害することで、症状が出現します。細い血管(細小動脈)がおもに高血圧に由来する動脈硬化で痛み、破綻して起こります。細小動脈は脳内に入り込んでいるので、出血は脳内に広がります。
  3. くも膜下出血
    脳動脈の破れにより症状が出現しますが、破れる血管は脳の表面を走る主幹脳動脈で、血管の一部が瘤状に膨れた脳動脈瘤が破裂します。動脈瘤が破裂すると、脳の表面を覆うくも膜という薄い膜の内側に出血します。くも膜下出血は脳卒中の中では死亡率が高く、重症な病態です。
  4. 一過性脳虚血発作
    脳梗塞と同じ機序で起こった神経症状が24時間以内に消失する状態をいいます。ほとんどの場合は1時間以内に症状が消失しますし、数分間の発作で済んでしまう場合も少なくありません。一過性脳虚血発作は脳梗塞の前触れ発作として重要ですが、治療を行わず放置すると脳梗塞を引き起こす可能性が高いです。脳梗塞を起こす前に適切な治療を開始すると、脳梗塞を予防できる可能性が高まります。
脳卒中を疑う5つの典型的症状として、
⒈片方の手足・顔半分の麻痺・しびれが起こる(手足のみ、顔のみの場合もあります)
⒉呂律が回らない、言葉がでない、他人の言うことが理解できない
⒊力はあるのに、立てない、歩けない、フラフラする
⒋片方の目が見えない、物が二つに見える、視野の半分が欠ける、片方の目にカーテンがかかったように突然一時的に見えなくなる
⒌経験したことのない激しい頭痛がする
が挙げられます。
脳卒中は日本人の死因として3位に入るので、予防は必須であると言えるでしょう。
予防法としては、脳卒中の危険因子を避けることです。高血圧、糖尿病、脂質異常症、不整脈、喫煙などは脳卒中のリスクを高めるので改善をする必要があります。そのためには、規則正しい生活習慣の獲得と適度な運動の実施が必要です。脳卒中は再発の危険性も高いので、1度発症したことのある場合はさらに注意をしておかなければなりません。

関連記事

  • 関連記事
  • おすすめ記事
  • 特集記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

TOP