運動をする場合、身体運動の速度や動作の切り替えし、様々な状況変化が求められるので、質の高い運動イメージ想起能力が必要になります。
運動イメージとは、実際に運動を遂行することなしに筋感覚などの体性感覚を用いて一人称的なイメージをすることです。
この運動イメージ。
あたかも「自分自身が運動しているかのように感じる一人称イメージ」を持つためには、脳の一次運動野、背側運動前野、補足運動野などの身体部位再現領域が賦活することによってそのイメージの精度があがるとわかっています。
運動イメージを想起すると、その運動を制御するのに必要な運動領野の脳活動は、実際にその運動をするのと同等に活動することが知られています。
要するに、実際に練習することがなくても、運動イメージでその練習を行っているというイメージができていれば、練習と同じように能力が向上することになります。
ある研究によってはこのようにパフォーマンスアップとしての研究結果が言われていますし、他の研究でも運動想起イメージと実際の動きの差異が大きい選手ほど、障害発生のリスクが高いと述べている論文もあります。
実際に運動やトレーニングを行う前段階として、質のいい動きの運動想起イメージをもつことは、結果としてパフォーマンスアップや障害予防に繋がることがわかっているので、あえて言えば、どれだけ質の高い運動想起イメージを持つかというのも運動上達、運動効果を考える上で非常に重要な要素となるはずです。
コメント