入院している人など、活動量が減った人は随意運動が極端に減少するため廃用性が起こります。
そもそも随意運動とは、自分の意思で行う運動のことで筋トレや運動はこれにあたります。
随意運動の経路として、まず前頭前野のインパルスが発現し、運動野が興奮します。
運動野から出された刺激は錐体で交叉し、脊髄を下降し脊髄前角細胞に達します。
ここまでの経路を中枢神経と呼びます。
脊髄前角細胞でシナプスを介してニューロンを変え、脊髄の前根を通りそれぞれ神経支配を受けている筋に達します。
神経と筋の接合部を神経筋接合部といい、脊髄前角細胞から神経筋接合部までを末梢神経と言います。
この神経経路を経て筋の収縮が起き「運動」となります。
随意運動と廃用性
随意運動を開始する10秒前に前頭葉に血流化・ヘモグロビン量が増加すると言われており、長時間随意運動を行っていないと運動野における脳血流量低下を引き起こします。
活動量が減った人は、中枢神経系の発火頻度および末梢神経の活動機会減少による中枢・末梢神経に廃用が生じます。
よって、神経系の廃用を予防するには、脳血流量をいかに維持・増加するかが必要となります。
手指の運動により脳血流量の増加が可能とされており、入院中で運動ができない人でも手指の運動が可能なので神経系の廃用予防につながります。
四肢や体幹を随意運動させるとき大脳皮質における各運動野の興奮が必要になるためとても重要だが、活動が低下した人にこのような運動は難しいかもしれないので、その人にあった随意運動を選択し頻度を多めに実施するべきです。
有酸素運動においても脳血流量を増加させ、脳の神経活動を向上させます。
神経筋接合部の廃用が生じた場合、伝達物質受容体や感受性の低下が興奮伝達性を低下させます。
この予防として、反復的な随意運動や促通法などの筋紡錘を刺激し、I a運動線維を興奮させ脊髄反射をおこし筋を収縮する方法で予防することはできます。
筋の廃用的変化は筋線維の置き換わりであり、速筋線維が遅筋線維に置き換わります。
これを防ぐために筋への機械的ストレスや酸素・二酸化炭素の交換やエネルギー代謝の亢進が必要です。
神経の廃用性の予防には、なるべく活動量を増やし随意運動を行う機会を設け、中枢神経系・末梢神経系活動を活発化させることが必要です。
負荷量を考えつつ、有酸素運動を取り入れることによって筋繊維の遅筋化を抑えることができます。
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