股関節インピンジメントの治療法として鏡視下手術をご紹介しましたが、今回は保存療法についてご紹介します。
股関節インピンジメントの特徴
股関節インピンジメントで最も問題となるのは、股関節屈曲・内旋可動域制限を伴う疼痛です。
関節自体の可動性の問題なのか、骨盤の可動性の問題なのかを見極めてなければいけません。
股関節インピンジメントの患者では股関節の可動性が低下するため骨盤の可動性が重要です。
しかし、股関節の屈曲可動域制限がある場合には体幹筋がうまく機能しておらず骨盤に付着する体幹表層の筋が硬くなり、骨盤の可動性を制御しています。
評価
股関節インピンジメントの患者には股関節周囲の筋や軟部組織の拘縮の除去を行い評価をします。
これでも改善しない場合、骨盤・腰椎の可動性の評価をします。
方法として、仙腸関節を中心とした可動性を骨盤モビリティテスト、腰椎の後弯可動性をPLFテストで評価します。
この評価によって、コアトレーニングや腸腰筋などの腰椎前弯筋のスパズムの抑制を行い、股関節・骨盤・腰椎の可動性を上げることが重要です。
保存療法で効果があるかどうかは2ヶ月様子を見る必要があります。
2ヶ月で可動域などの股関節機能が改善されると手術を回避できますが、2ヶ月すぎると手術療法が検討されます。
改善
改善としてコアの安定性と肩甲骨の安定性を向上させ、股関節周囲の固さを排除することによって、股関節と骨盤の可動性が上昇します。
それにより、疼痛を出しにくくし手術を回避できます。
トレーニングとしては、バード&ドッグ、股関節周囲の固さには、大臀筋・中臀筋・梨状筋・外閉鎖筋・大転子周囲の軟部組織・腰方形筋・多裂筋にアプローチしていきます。
臀筋群にはスパズムが生じ、大転子周囲は硬化が起きやすいです。
梨状筋や外閉鎖筋の効果は股関節屈曲で大腿骨頭の後方滑りの程度に影響します。
このような場合は徒手で硬さを除去していきます。
股関節インピンジメントはできるだけ保存療法の方が良いですが2ヶ月を目安に手術も考えなければなりません。
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