スポーツに関連するACL損傷の約70%が、非接触性か、しても最小限の接触によって生じています。

多くの非接触性損傷はジャンプからの着地や片脚接地した下肢による、減速、カット動作、ピボット動作を素早く力強く行った際に生じています。

さらに、損傷は非常に瞬時に起こるため、予測ができません。

そのため、受傷時の膝関節にかかる力の方向や正確な肢位は必ずしも明確とは言えません。

したがって、これらを明らかにするには、自己報告や映像分析が重要だと言えます。

そうした研究によって、ジャンプからの着地と損傷に関して、3つの因子が明らかになっています。

ACLの損傷に関わる3つの要素

一つ目は、膝関節軽度屈曲位か完全伸展位での大腿四頭筋の強い筋活動、二つ目は、膝関節の過剰な外反崩れ、三つ目が、膝関節の過度の外旋です。

これら3つの要素が同時に、あるいは極度に生じるとACLの張力を超えた負荷となることが研究で実証されてきました。

さらに、膝関節の伸展と過度の外反が合わさった際に起こる、膝関節の過度の内旋もACL損傷になりやすいことが分かっています。

また、膝関節が過伸展されると、固定された脛骨に対して大腿骨が過度に後方に滑るためACLが過伸長したり、断裂したりすることがあります。

その状態での大腿四頭筋の活動は大腿骨の後方滑りに対して脛骨を前方へ牽引するため、損傷の可能性がより高まります。

ACL損傷に関連する過伸展は、軸回旋か外反力を伴っていることが多く、そのため、ACLにかかる緊張はさらに増加することになります。

また、顕著な過伸展は後方関節包とMCLに大きなダメージを与えることとなります。

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