今回は脊柱の生理的弯曲についてご紹介します。

脊柱は7個の頚椎、12個の胸椎、5個の腰椎、5個の仙椎、3〜5個の尾椎により構成されます。

仙椎は30歳までに骨癒合し、尾椎も20歳代後半には骨癒合します。

生理的弯曲

脊柱には生理的弯曲が存在し、頚椎前弯、胸椎後弯、腰椎前弯、仙骨後弯においてS字カーブを描きます。

生理的弯曲は、重力と活動量に大きな関係性があります。

胎生児・新生児期は、抗重力肢位をとることがないため、脊柱全体がC字型の弯曲になります。

首がすわると、脊柱の長軸方向に重力がかかるようになり、弯曲の形成が始まります。

さらに、歩行や走行、重量物の持ち上げなど活動量が高くなる学童期の終わり頃には、S字状の生理的弯曲が完成します。

生理的弯曲は、地面からの衝撃を緩衝し、頭部への振動を軽減する役割をもつため、活動量が高くなる時期には必要不可欠なものとなります。

逆に、活動量が減ると、生理的弯曲は不要となります。

そのため、加齢などにより活動量が低下すると、重力にしたがって胸椎後弯が増強し、腰椎前弯が減少していきます。

こうした生理的弯曲の変化は、静的・動的姿勢、バランス能力などにも影響を与えるため、機能的な姿勢、いわゆる理想的な脊柱のアライメントを評価することは重要です。

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