こんにちは、塩出です。今回のテーマは「ホメオスタシス」についてです。
ホメオスタシスは「身体の中の各器官の相互連絡、統制により、内部環境が一定に保たれていること」です。
19世紀フランスの医師・生理学者であるクロード・ベルナールは「生命現象はいろいろな姿で現れるが、結局は内部環境の恒常性を保つという唯一の目的しかもっていない」と言い切りました。クロード・ベルナールは「内部環境の固定性」の概念を提唱し、これが後にアメリカの生理学者ウォルター・B・キャノンによって「ホメオスタシス」の概念に発展させられました。
ヒトの細胞で、外界の空気や水などの物質に接触しているのは、皮膚細胞や粘膜細胞だけで、他の細胞は細胞外液の中で活動しています。身体の外の環境を外部環境と言いますが、細胞外液は身体のなかの細胞の生活環境になっていることから、内部環境と言います。クロード・ベルナールは、この内部環境の概念を初めて発表しました。
細胞が正常な機能を保ち、生活を営むには、身体の浸透圧や、体温、ガス組成などが最適な状態に保たなければいけません。
例えば、体温が下がれば、「ふるえ」などにより、体温を上げようとしますし、お腹がすけば、摂食中枢に刺激が入り、摂食行動をとりますし、ご飯をたくさん食べたら、満腹中枢に刺激がはいり、もう食べたくない「満腹感」を感じます。これらも細胞環境を最適に保とうとする「ホメオスタシス」です。
この「ホメオスタシス」が、何らかの原因により、著しく乱れると病気になります。病気になれば当然身体は「ホメオスタシス」を保とうと調整します。身体の調整能力の範囲内の病気は回復していきますが、この能力が破綻、もしくは範囲を超える病気になれば、ヒトは死に至ります。
6月に入り熱中症のニュースが聞こえますが、熱中症では熱さや湿度により、中枢機能(体温調整機能)の機能障害を起こします。これによりヒトの身体はホメオスタシスを保つことができなくなり、放置していると、最悪の場合、死に至ります。(※熱中症には気を付けましょう)
そうでなくとも、老化により「ホメオスタシス」は破綻していく運命ですが、我々は子孫を再生産することができ、生物学的に種族保存することが可能になっています。
コメント