こんにちは、塩出です。
本日のテーマは「NSAIDs」についてです。「NSAIDs」は「エヌセイズ」と読み、「風邪をひいたときの熱を下げる薬」として知られています。有名な商品だとロキソニンやボルタレンなどがあります。
特徴 | 一般名 | 商品名 |
NSAIDs (COX-1,2を阻害) |
アスピリン ジクロフェナク ケトプロフェン |
バファリン バイアスピリンなど |
NSAIDs (プロドラッグ) |
ロキソプロフェン | ロキソニン |
また、足関節の捻挫や変形性関節症の方にも処方されることが多い薬です。
エヌセイズは正式には「Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drugs」直訳すると「非ステロイド抗炎症薬」でステロイドを使わない抗炎症薬ということになります。
ステロイド薬は炎症を抑える強力な薬ですが、副作用が強いので、ちょっとしたときに使う薬ではありません。エヌセイズはステロイドよりも鎮痛効果はさがるものの、副作用が少ない薬として知られています。
炎症物質として有名なものは、ヒスタミンやプロスタグランジン、ブラジキニン、ロイコトリエンなどが知られていますが、この中でもプロスタグランジンは発熱作用と疼痛を引き起こします。炎症作用を抑えるにはプロスタグランジンの働きを抑える必要があります。エヌセイズは、このプロスタグランジンの産生を抑えることに優れています。
急性期運動器疾患の疼痛管理としてのNSAIDs
変形性関節症や関節ねん挫などでエヌセイズが選択されることはよくあります。Slatyerらは364名の急性足関節内返し捻挫患者に対してエヌセイズを投薬したグループとプラセボ群で比較した結果、エヌセイズを投薬したグループでは疼痛軽減やトレーニング復帰期間、筋持久力に有意な効果があったと報告しています。
ただ気をつけていただきたいことは、疼痛軽減効果が高い反面、組織の修復は十分に進んでいない可能性が高いということです。急性期に関しては投薬を含めた医学的なコントロールが必要不可欠になります。そのため正しい炎症管理ができることが二次的な疾患や慢性疾患に移行させないキーポイントになります。
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