こんにちは、塩出です。

今回のテーマは「膝の痛みと軟骨の関係性」です。

以前の記事で関節軟骨について少し取り上げましたが、もう一度、膝の痛みと合わせてお話しします。

結論から申し上げますと、膝の痛みと軟骨の摩耗は関係ないことが多いです。

実は病理学的に言うと軟骨が摩耗するという考え方はあまり正しくありません。

軟骨は退行性変性により量そのものが減少はしますが、これは軟骨のターンオーバーが遅延した結果、破壊のスピードが速くなることによる代謝性の問題と言われています。

切り傷ができたりニキビができたりすると、かさぶたができたり、治ったりするのと一緒で、関節内部の軟骨にも再生と破壊が繰り返されています。

膝が痛い方のイメージとして、関節がゴリゴリとぶつかって痛いなどのイメージを持たれている方は多いですが、関節軟骨の表面は非常に滑らかになっており、摩擦係数は0に近いです。つまり、関節がゴリゴリとぶつかって痛いという現象はあまり現実的ではありません。

また構造的に、関節軟骨の間には半月板があるため、最初に挟まるのは半月板です。半月板は挟まれることで断裂や部分損傷を起こす組織です。

このような点を踏まえても軟骨の減少は一般的な摩耗とは違うものと考えられます。

ターンオーバーが遅延する理由

軟骨には血管が存在しないので、関節軟骨は滑液によって栄養されます。この滑液によって、軟骨のターンオーバーが促進されます。

変形性膝関節症などでは関節が不安定になり、膝の内側にかかるストレスが増加します。この荷重バランスが乱れることにより、化学的な反応が起き、代謝障害が発生すると言われています。

そのため、マッサージなどで筋肉のバランスを整えることも大切ですが、体重の調整、重心コントロール、歩行訓練などで動作時に発生する内側のストレスを改善することが、軟骨の代謝亢進と除痛を考えるうえで大切といえるでしょう。

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