こんにちは、塩出です。

今回のテーマは「モーターコントロールエクササイズ」です。腰痛でお悩みのクライアント様などに行うことが多いトレーニングですが、なぜ行うのでしょうか。モーターコントロールエクササイズの有効性をシステマティックレビューから考察します。

腰椎のモーターコントロールでは、腰椎と骨盤の安定化に重要な腹横筋と多裂筋の共同収縮の獲得を目的にしています。

これらの筋群が収縮することにより、胸腰筋膜の緊張を高め、腹腔内圧を増加して腰椎の安定性を高めることができるとされています。

モーターコントロールエクササイズでは、最大随意収縮力の30-40%以下の低レベル出力で、等尺性(筋肉の長さが変わらない)の持続収縮です。深層筋が収縮するまでゆっくりと緊張させていき、表層筋が過剰に収縮しないようにします。

あくまで運動制御を目的としたリハビリテーションエクササイズです。

Leeらは、慢性腰痛症例33例に対して、バルーンを用いたモーターコントロールエクササイズ群と物理療法のみ群に分類しました。

これらのグループに週3回、1回30分のセッションを36回(12週)施行した結果、バルーンを用いたモーターコントロール群では有意に筋肥大が認められましたが、物理療法のみ群では有意差は認められませんでした。

ボールエクササイズを用いたモーターコントロールトレーニングでは、腰部安定化筋群の断面積にも有意な増加が確認されました。

ボールエクササイズでは不安定下での筋活動を動的安定化させるために、筋力、持久力、柔軟性、反射、平衡感覚、固有受容覚などを高めることができ、慢性腰痛症例に対する改善エクササイズとして、きわめて効率的な介入方法だということが分かります。

Akoduらの研究によると、慢性腰痛122例を対象に、モーターコントロールエクササイズ群、モーターコントロール&経皮的電気神経刺激群、モーターコントロール&経皮的電気神経刺激群&マッサージ群、鎮痛薬のみ群に分類して、多裂筋の収縮時肥厚度を測定した結果、鎮痛薬のみ群に比べて、モーターコントロール施行群が有意に筋肥大していることが分かりました。

またモーターコントロールエクササイズに経皮的電気神経刺激をを付加した群が最も肥大していたことが分かりました。深層筋への電気刺激はフィードバック効果を促通すると考えられます。

 

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