こんにちは、塩出です。
今回のテーマは「梨状筋と骨盤帯機能」です。梨状筋とは股関節深層外旋六筋の一つで、股関節の安定に欠かせません。肩の回旋筋腱板のような役割を果たし、股関節を求心位に持ってくるのに重要な筋肉です。梨に似ていることから、梨状筋と言われています。(私はよくわかりませんが、、)
仙腸関節のインスタビリティと梨状筋
過去のブログで仙腸関節のforce closure(フォースクロージャー)とform closure(フォームクロージャー)のお話をしました。force closureは動的安定化機構で骨格筋による安定化メカニズム、form closureは静的安定化機構で靭帯性の安定化メカニズムです。
force closureはform closureや仙腸関節にかかる負担により、変化します。form closureが破綻すると、force closureで補うことにより、仙腸関節を安定させようとします。このとき仙腸関節の圧迫を強める筋の1つに梨状筋が考えられます。
構造的に梨状筋は仙腸関節の前方関節包に付着するため、仙腸関節が不安定になると、筋スパズムを起こし、過緊張になりやすいと考えられています。梨状筋は大坐骨孔を通り、大転子に付着するため、適度に働くことで股関節の安定に関与しますが、過緊張状態では、大腿骨頭を後方から前方に押し出してしまいます。
これにより、股関節前方インピンジメントを生じ、鼠径部の痛みや股関節内側の痛みに発展していきます。
そのため、股関節の前が痛い病態や、鼠径部痛の際は、梨状筋はもちろんですが、股関節の後方組織にも着目して考察することが重要です。
【参考文献】
メジカルビュー社 股関節理学療法マネジメント第1版 永井 聡 ,対馬 栄輝より
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