こんにちは。塩出です。

今回のテーマは「固有感覚」についてです。固有感覚を高めることはリハビリテーションにおいて、重要であるとされていますが、実際に何なのかというところです。


感覚とは

ヒトは日々生活を営んでいくうえで、多くの感覚を頼りに生命活動を送っています。触覚などの体性感覚、視覚、嗅覚、平衡感覚などの特殊感覚、空腹を感じたり、尿意などの内臓感覚もあります。これらが機能することにより、円滑な身体操作を行うことができるのですが、「固有感覚」とは何か。


固有感覚

固有感覚は、筋肉や腱、関節にある「固有受容器」により受容される、運動による関節の位置などの情報です。身体がどのように動いたかを感知するのに大きな役割を果たしています。関節角度を伝える「位置感覚」、能動的、受動的な関節運動の情報を伝える「運動感覚」、運動を実行するために筋出力を決定する「力の感覚」に分類できます。


固有感覚の受容器は筋紡錘、腱、ルフィニ、パチニ小体、自由神経終末、ゴルジマッツウォーニ小体などがあり、動作時に意識することはないですが、運動の制御に大きくかかわっています。

そもそも感覚とは、生理学的には感覚受容器からの情報が大脳皮質第一次知覚中枢に投射するまでの過程を指します。強度や質の弁別を行うことを「知覚」と言います。感覚を知覚し、大脳皮質第二次知覚中枢に転送します。この知覚を統合して、識別できる状態で「認知」に至ります。


ヒトが何か動作を遂行するとき、同じ力で反復することは少ないのではないでしょうか、同じ階段昇降動作でも、段差が低いとき、高い時の動き方は違います。晴れの日の歩きかた、雨の日の歩きかたなど、人によっては、この動きでは痛くないけど、こっちでは痛いなど動作の中でも痛みを誘発する動作なども見受けられます。


運動療法では、セラピストが他動的に動かすだけではなく、患者自身が能動的に動く必要があります。「この動き方だと痛くない」「こうすれば動かしやすい」などを自分自身の身体で感じることが重要です。繰り返し運動を行うことで、動作の「記憶」が確立し、運動がより高度に統合されたものになっていきます。高度に統合された運動では「記憶」に基づいたフィードフォワードメカニズムが遂行されます。

このようにして「固有感覚」が養われていくことにより、動きのパターンの変化、筋緊張の変化が生じうるため、感覚と運動の考えは、リハビリテーション、運動療法を行っていくうえで大切です。

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