こんにちは。塩出です。
今回はリハビリテーションの効果というテーマでお話します。まずリハビリというのは、電気療法や超音波などの物理療法やマッサージやストレッチなどの手技療法、運動療法などがありますが、総称して理学療法とします。
理学療法は海外だとphysio therapyと言われています。理学療法士に開業権があり、日本の町医者のように理学療法を受けることができます。(日本では鍼灸院や接骨院が多く見受けられますが、これらは柔道整復師、鍼灸師が開業している施設です。)
理学療法はヒトの身体を改善することに関して、効果が高いものだと考えておりますが、理学療法は万能ではありません。
理学療法では変化しにくいもの
骨・軟骨・靭帯・半月板・腫瘍などの実質損傷や変化
分かりやすくいえば、骨折や軟骨損傷、靭帯の断裂(重度の捻挫)などは整形外科的な治療(手術・投薬・固定管理)が必要でしょう。また脳腫瘍や骨腫瘍などで痛みが出ているケースも少なからずあるため、これらも良くはなりにくいです。
理学療法で変化を出しやすいもの
筋機能・血管、細部血管機能・神経機能・疎性結合組織
これらの組織はイメージがつきやすいと思います。ストレッチをしたことにより、身体が柔らかくなる、施術後痺れが軽減するなどの効果が生まれます。
疎性結合組織
理学療法・徒手療法で変化を出しやすい組織として、疎性結合組織というものがあります。結合組織ということなので、身体の中の組織と組織を結合するものです。疎性というのは粗いという言葉に言い換えることができ、疎性結合組織は言い換えると、「粗く組織と組織をつなげるもの」ということです。
この反対に密性結合組織があり、疎性結合組織と違い密度が高い結合組織になります。
密性結合組織 | 疎性結合組織 |
コラーゲンの密度が高い | コラーゲンの密度が疎 |
血管少ない | 血管多い |
神経少ない | 神経多い |
靭帯・腱 | 筋膜・脂肪など |
理学療法・徒手療法では疎性結合組織に変化を出すことを目的に組織を動かしています。組織をつなぐものが栄養され柔軟性を取り戻すと、痛みが軽減し可動域も獲得しやすいです。
整形外科領域のレッドフラック
【腰痛のレッドフラッグ(2019年腰痛診療ガイドライン)】
・発症年齢が20歳未満
・時間や活動性に関係のない腰痛
・胸部痛
・がん、ステロイド治療、HIVの感染の既往
・栄養不良
・体重減少
・広範囲に及ぶ神経症状
・構築性脊柱変形(円背など)
・発熱
これらの症状は危険兆候とされており、理学療法や民間の徒手療法・運動では治ることがありません。したがって、これらの症状が見受けられる方は、ファーストオピニオンとしてまずは医療機関を受診しましょう。
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