近年、社会環境が複雑化しストレスによる体調不良や不定愁訴を訴える人が多くなっているといわれています。
その中には、「咬み合わせ」が誘因となった疾患の発症もみられることもあり、全身と口腔との関連性が多く調査されています。
実際に調べてみると、「咬合」と「姿勢」の関連性についての発表も多数みられ、不適切な咬合関係を改善することにより内分泌疾患の改善、歩行障害の軽減、ならびに月経困難が軽減したという報告などが存在します。
頭位が正常化して頸部のストレスが緩和されたため、肩こり・背筋痛が軽快したという方も多くいらっしゃいます。
ある研究論文では、「頭位が変化すると、頸椎の変形ならびに周囲の筋の異常緊張によって椎骨動脈が圧迫され、脳内の血流量が減少すること、側頭筋の異常緊張による頭蓋骨内の内圧の上昇によって、血液や脳脊髄液の循環不全が生じることで肩こりや背筋痛が発症する」ということが報告されています。
実際にトレーニングの御客様の例を挙げるなら、例えば頭位が正常化して頸部のストレスが緩和されたため、肩こり・背筋痛が軽快したという方も多くいらっしゃいます。
ヒトは猿人から原人(ホモ・エレクトス)に進化する際、坐骨や大腿骨が強化されて直立二足歩行をするようになった歴史があります。
このようなケースを考える場合、まず人類進化の過程を考えていく必要があります。
そもそもヒトは猿人から原人(ホモ・エレクトス)に進化する際、坐骨や大腿骨が強化されて直立二足歩行をするようになった歴史があります。
この姿勢の維持によって四つ足歩行から脱却して上肢を自在にあやつるようになり、結果として道具を使用できるようになって脳の発達をみたといわれています。
そして大きくなった頭部を効率よく支え、身体を構成する各部分を重力方向に直線に並べるために脊柱の役割が変化してきたと考えられています。
元来、ヒトの脊柱はS字状に攣曲し、頭を生体力学的な位置に配置するためにその重心線は頸椎6番、胸椎9番、仙椎3番を結んだ線を通ることが知られています。
また頭は姿勢を維持するうえで、頭位軸慣性平衡系により立位や座位の静的姿勢や歩行時などの動的姿勢において特に重要であることが知られています。
このように頭の位置は姿勢維持にも大きな役割を担っており、さらに頭位は「噛み合わせ」、いわゆる「咬合」と密接に関わっていることがわかっています。
「頭位と咬合」、「頸椎と咬合」、「姿勢と咬合」 などを個別に観察するのではなく、それぞれの関連に注意する必要性があるのです。
姿勢には、病気の原因となる姿勢と正常とはいえないが仕事や生活習慣によって習慣化してしまった姿勢との2つがあるといわれています。
このような姿勢が長期化すると身体に何かしらの負担が生じ、結果として不定愁訴のように原因がハッキリしない症状として出てきてしまうケースがあります。
そしてその原因が「姿勢」「頭位」「噛み合わせ」から生じているというケースもあるのです。
こういったケースで全身症状の改善される過程は、第一段階として「頭位の変化」、第二段階として「姿勢の変化」が挙げられます。
このような症状に対する治療方針としては、「頭位と咬合」、「頸椎と咬合」、「姿勢と咬合」 などを個別に観察するのではなく、それぞれの関連に注意する必要性があるのです。
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